周易とは

周易とは、私たちが易学と聞いて真っ先にイメージする占いの方法で、たくさんの種類が存在する易学の中では最もポピュラーな占い方法として知られています。易学は中国で発祥して発展した統計学で、その誕生は周の時代までさかのぼります。文王によって作成された易学は、のちに周易と呼ばれるようになり、今から2500年ほど前に孔子によって完成されたと言われています。易学には中国4000年の歴史がある占い方法で、時代が変わっても今でもなお抜群の的中率を誇る占いとしても知られています。西洋人にとっては、易に使われる漢字が分かりづらいということもあってなかなか欧米諸国では普及しないようですが、漢字に親しみがある日本人の私たちにとっては、漢字の意味を理解するのも難しくありませんから、比較的受け入れやすい占い術と言えるのではないでしょうか。

 

周易の特徴は、占う時に笠竹を使うことで、この占い方法は略笠法と呼ばれています。易には「変易」「不易」「簡易」という3つの意味があり、それぞれに意味やメッセージが込められています。変易というのは、世の中にあるものは全て常に変化し続けているという変化を表す易で、「諸行無常」に通じていると考えることができます。不易は、そんな時代の流れの中においても絶対に変わらない不変のことを指していて、例えば必ずやってくる春夏秋冬の四季などが当てはまります。もう一つの簡易は、簡単という意味で、本物こそ簡潔で分かりやすいものだという教えに基づいています。

 

周易では、どのような問いかけにも全て答えを出すことができます。占い術の中には、漠然とした宿命や運勢について知ることはできても、具体的に「明日の合コンで素敵な彼と出会えるか?」とか「始めようと思っているビジネスはうまくいくか?」というような具体的な問いかけに対しては答えることは難しい場合が少なくありません。しかし周易なら、どんな問いかけに対しても答えを鑑定することができるので、答えを知りたいと切望する人にとっては大きな魅力となります。

 

西洋世界においては、人間の原点は聖書と言われていて、聖書は最高の書物と呼ばれています。しかし東洋世界においては物事の原点は聖書ではなく易経と言われています。心理学者のユングが最終的にたどり着いたのは易経でしたし、安岡正篤も最終的には易経にたどり着いたようです。歴史に名を遺す偉人たちも、人間がどんな風に成功するのかという点を研究していくと、最終的には易経にたどり着くことが多いようです。ちなみに周易は、占い方を知っていれば自分自身でも占うことは可能です。