ジプシー占いとは

ジプシーというのは、一定の土地に安住することなく、あちこちの土地を放浪しながら生活する人々のことを指しています。そしてジプシー占いは、古代のジプシーたちが放浪の旅の途中で手軽に見つけることができる木の葉や枝などを使って行っていた占い方法のことです。現在では、ジプシー占いには木の葉や枝を使うことはなく、そうしたアイテムが描かれたカードを使って行いますが、この占い方法はタロットカードの起源とも言われている占い方法と言われています。

 

ジプシー占いが発展したタロット占いは、特別なスピリチュアルな能力がなくても、占い方法を知っていれば素人でも占うことができる占い術と言われています。しかしジプシー占いの場合には、タロットカードのようなカードを使って行うという点は共通していても、占う人がどのぐらいスピリチュアルな能力を持っているかによって鑑定結果が異なるという違いがあり、そうした違いから、ジプシー占いはもしかしたら水晶占いの起源になったものかもしれないという説もあるようです。

 

このジプシー占いは、インドからヨーロッパへ向けて放浪の旅をしていたジプシーによって発祥したものと言われていて、この地方の文化や占い術と融合しながら、現在の占い方法へと発展しました。古代インドでジプシー占いが誕生したのはかなり古く、ヒンズー・カードと呼ばれるものを使って占っていたと言われています。ヒンズー・カードは1000年ぐらい前からすでに使われていたことが分かっていて、当時は動物の骨や木の皮などが使われていたようです。時代の流れとともに、ヒンズー・カードは丸い形をしたインダス・カードへと変身し、現在のジプシー占いで使われているジプシー・カードとなったようです。

 

この占いをヨーロッパに伝えたルノルマン婦人という人物は、ナポレオンの妻のジョセフィーヌの友人だったと言われていて、ナポレオンに対しても占いを行い、「王の中の王となる」と予言して戦が行われるたびにアドバイスをしていたと言われています。ナポレオンと言えば、世界の歴史に名を遺した偉大な人物ですが、彼の数々の華々しい勝利の裏には、ジプシー占いの存在があったことはとても興味深いですね。

 

そして、ヨーロッパに伝えられたジプシー・カードは、ヨーロッパの文化や他の占星術と融合しながらタロットカードと姿を変えたようです。タロットカードが誕生したのは今から約800年ぐらい前になるため、ジプシー占いとタロット占いの分岐点もそのあたりと言えます。