六壬神課とは

六壬神課(りくじんしんか)とは、中国で誕生した占い術の一つで、その始まりは2000年前にも及ぶ歴史のある占い術として知られています。この占い方法は天文学と干支術と組み合わせて体系化したものですが、時刻を元にして天文学の情報を取り出したり、式盤と呼ばれる器具を使うのが特徴的です。六壬神課は、短く「六壬」と呼ばれることもあれば「玄女式」と呼ばれることもありますが、もともとは九天玄女娘娘という女神にちなんで名づけられたようです。

 

六壬神課の基準となるのは、太陽の黄道上に位置していて占いの基本となる月将という自国の干支です。ここに干支術を組み合わせるわけですが、このメカニズムだけを見ると、西洋占星術で行われているサン・サインととても良く似ていてホロスコープにも類似していることが分かります。しかし六壬神課は中国で発展し、アジアを中心に広がったのに対し、西洋占星術はインドからヨーロッパに向けて伝えられた占い方法ですから、特徴は似ていても起源や発展方法は全く異なっています。

 

日本に六壬神課が入ってきたのは平安時代から鎌倉時代にかけての時代で、そう考えると日本における六壬神課の歴史もかなり古いと言えます。当時は陰陽寮というものが存在していて、陰陽道を統括していたという記録も残されています。平安時代に著書された新猿楽記では、架空の人物である加茂道世という人物が六壬神課のテキストとなる金歴経を愛読していたことが記載されていて、当時の陰陽師にとっては六壬神課はなくてはならない存在だったことをうかがい知ることができます。

 

平安時代から鎌倉時代にかけて日本に伝えられた六壬神課は、江戸時代で鎖国を迎えた頃をキッカケにほとんど使われなくなってしまいます。しかし昭和初期に入って阿部泰山という人物が、中国語で書かれた六壬の古典の一つ「六壬尋源」を翻訳したことによって再び六壬神課が日本へ紹介されるきっかけとなり、現在の占い術として確立されました。

 

六壬神課は、占うにあたって天地盤が必要になったり、太陽の黄道上の位置を示す月将を作成しなければいけないなど、手間や労力が必要となるだけでなく、占い方が困難で複雑なので、専門的な知識を持たない人にとっては難しいようです。そのため、六壬神課で鑑定したい場合には、占い師に見てもらう方法が良いかもしれませんね。六壬神課では、生まれ持った性格や運命、宿命などを鑑定してもらえるだけでなく、気になる相手との相性なども見てもらうことができます。また、現在のまま行くとどのような未来が待っているのかを予測することもできるようです。